私、京都在住ではありますが、京都生まれ京都育ちではありません。よし、郷に入りては郷に従え、 虎穴に入りずんば虎子を得ず(←用法間違い)! 京都の伝統的なコミュニケーションツールである「イケズ」を知ろうと思い入江敦彦『イケズの構造』という本を読みました。
作者は京都の西陣に生まれ、現在はイギリス在住のエッセイストです。 京都についての著書をたくさんお持ちです。
本書も現代のイケズうんぬん(イケズは人に恥を欠かせないための方便である・・・など)のくだりも面白く読めるのだが、源氏物語を京ことばで表現するところは圧巻!源氏物語ってイケズ満載だったのね・・・。
「えらいご執心やこと。そない思わはるんやったら、そなんちゃいますか。そやけど聞くほどのこともおへんのちゃいますか」
末摘花のうわさを聞きつけた光源氏が、乳兄弟である命婦に彼女との渡りをつけてもらおうと頼み、それに対する命婦の返し・・・の部分だそうです。妙にリアル。情景がいきいきとして目に見えるよう。
京ことばって女性らしくて好きだなと思う。 皮肉もイケズも負な感情もいろいろあるけれど、伝えずにいられない言葉をぐるんと“京ことば”にくるんでしまう。柔らかなイントネーションがクッションになって、相手を痛めることなくその思いを伝えることができるだろう。目に見えないもの、言外に表現されるものも使いこなして他者との関係性を保つのは、女性ならではのコミュニケーションスキル。 はんなり~とかたおやか~とは特に思わないけれど、“京ことば”は“言語ツール”としてかなり完成されているんじゃないの!?なんて思います。
そうそう、京都人って「うんこさん」って言うんですよ・・・。 なんで「さん付け」なんですかね・・・。
京都人と結婚した会社の同僚女性に聞いてみたら、「確かに、うちの義母は何にでも「さん付け」しはる!」とのこと。
「ゆうこさん、この門じゃあどろぼうさんがたくさんたくさん来はるやないの・・・ まあ、台所もお掃除が・・・ごきぶりさんもようけ来はるよ。ねえ、ゆうこさん」
どろぼうさんとごきぶりさんとゆうこさん(同僚)は同列かーーーー!!! と笑っておりました。確かに。何の選別で「さん」をつけているのでしょうか。
「お父さん、ジョン(犬)がうんこさんまだしてないから、散歩に連れて行ってあげてくださいな」
とも言うそうです。 お父さんもうんこさんも同列と見た・・・笑。



