若者の4人に1人は結婚できない時代 - 書評:山田昌弘+白河桃子『「婚活」時代』

中央大学文学部教授の山田昌弘氏(執筆時は東京学芸大学)と白河桃子氏の共著『「婚活」時代』.共著といってもリレーエッセイ方式.

山田先生の社会学・統計学的視点からの「なぜ若者が結婚できないか」の分析は非常に面白いです.ざっくりまとめると,


  • 1975年までは20代半ばで結婚する人が多かったが,現在では初婚年齢にばらつきが出ている(→結婚の多様化)

  • 男性間での経済格差が,結婚格差を引き起こしている(→結婚したくてもできない)

  • 1980年代頃までは結婚とセックスが強固に結びついていたが,『男女七人夏物語』以降は?(→結婚までの恋愛機会が多い)

  • 恋愛結婚と見合い結婚の数は1965年に逆転しているが,旧来の恋愛結婚は職場などでの狭い範囲の出会いであり,いわば「集団お見合い」(→転職増加・女性の職場進出により働き方が多様化した現在では少ない)

うーむ,やはり金か.ちなみに未婚女性の40%が年収600万以上の男性と結婚したいと思っているものの,25-34歳の未婚男性で年収600万以上はわずか3.5%だそうです.

なおライフスタイルの多様化により結婚しにくくなっているのは欧米でも起こっていることだそうですが,山田教授によると日本には「結婚すると経済的余裕がなくなる」という独特の事情があるそうです.

なぜ,独身のほうが経済的に余裕があるかというと,親にパラサイト(寄生)している独身者が多いからです.欧米,特にアメリカでは,学校を出たら子どもは自立して親の家を出ていくのがふつうですから,一人より二人暮らしのほうが生活が楽だと,経済的要因はむしろ結婚を促進する方向に働きます.したがって,低収入の人同士ほど早く結婚します.ですから,アメリカで一人で生活を送ることは,文字どおり高収入者の特権といえます.また,独身者の多くは,「ルームシェア」をして,費用を節約します.そこで,ルームメイトの紹介などで,出会いの機会も増えるのです.(P.57-58)

うーむ,この時代だからこそ単身者同士は早く結婚した方がいいのかもしれません.

とりあえず,時代が流れ,ライフスタイルが多様化している現代だからこそ,前時代に結婚した親世代にいろいろ言われたくないよねと思いました.独身のお子さんをお持ちの親御さんは本書を読むといいと思いますよ.

ちなみに共著者のもう一人である白河桃子さんの主張は,ざっくりまとめると「男が悪い」の一言ですので,それを楽しみに読んでみるのも一興かと.『「キャリモテ」の時代』も読んだけど,ざっくり言うと「結婚できないのは男が悪い」ですからね.必死だな…