カズに学ぶ続ける力 - 書評:三浦知良『やめないよ』

今年45歳を迎えてなお現役のフットボール選手・カズこと三浦知良さんの昨年の著書が『やめないよ』.日経新聞朝刊の連載をまとめただけに,かなり売れたようですね.

現役選手だからこその視点で解説するサッカーの話が実に興味深いですね.たとえば低調で谷間の世代と呼ばれた北京五輪代表についても,内田篤人・長友佑都・本田圭佑が印象に残っていると.その後3人とも海外で大活躍していることを考えると,プロの眼は本当に慧眼だと驚かされます.

サッカーの話だけでなく,一般のビジネスマンにも教訓を与えてくれるのが本書であり,さすがカズというところ.「他人のせいにするな」「人生に偶然はない」などと耳に痛いお言葉も.中でも一番響いた言葉は「1センチでいいから前へ進むんだ」という節より.

「考えるだけで止まっている人間はたくさんいる.お前もそうだ.考え,悩め.でも前に出ろ」(P.245)
学ばない者は人のせいにする.学びつつある者は自分のせいにする.学ぶということ」を知っている者は誰のせいにもしない.僕は学び続ける人間でいたい.(P.245)

共にピッチを駆けるメンバーも,時にはコーチングスタッフでさえ自分より歳下になるかもしれないカズさんのこの謙虚さが,長くトッププレイヤーでいる秘訣なのでしょうか.ビジネス書として流行っているからといって会社の上司にはあまり言われたくない言葉かもしれませんが,カズさんの言うことだったらなんか説得力あります(身勝手).

さて,本書でカズは自分の引退時期についても軽く言及しています.

みんなは,サッカー選手は試合だけをやっていると思っているかもしれないけれど,実は練習を毎日やることこそが大変なのだ.しかも高いモチベーションを持って,若い選手に負けないタイムで走るとなればなおさらだ.逆に言えば,それができなくなったときが,やめるときなのかもしれない.そう,僕がやめるとすれば,まさに「そのタイミング」しかないのだと思う.(P.5)

まだまだやめなさそう…今年は西京極にカズを観に行こうかな…