アラフォーの恋愛とは - マンガ評:西炯子『姉の結婚』1-2巻

うっかり書評を書き忘れていましたが,最新巻が発売されたことをきっかけに西炯子の最新作『姉の結婚』の感想をば.

「結婚とか恋愛とかは,もういいや…」と東京を去り,郷里で一人「プチ老後」を選択したアラフォーの岩谷ヨリ.彼女の前に突然現れた妹のルイ子は,そんな姉を心配している.そんなヨリをストーキングする超イケメンな医師・真木誠が現れ,何やらややこしい関係に…

アラフォーの恋愛や結婚を描くというのが本作.1巻の背表紙には「オトナの男女のための不器用系恋愛バイブル」とのアオリ.

  • モデルと見紛うイケメン医師・真木はヨリの中学時代の同級生
  • しかしホワイトポークと仇名されるデブ&いじめられっ子(当時から真木はヨリを慕っていた)
  • 真木は妻帯者で,しかも妻はヨリそっくり

つまるところ不倫という泥沼が待っている訳です.恋愛バイブルが不倫ってどうよ?というツッコミを入れたいところですが,アラフォーとなると男女それぞれ結婚はもちろん,立場や過去の経験などのしがらみが発生してきます.なのでこれはこれでテーマとしてはいいのかも.

1巻では真木の変人&強引ぶりに戸惑っていたヨリが,2巻では大人の付き合いとして割り切るシーンが見られます.また,真木が妻とうまくいっておらず,妻に別の想い人がいるのを承知の上で結婚したことも明らかに.

はたして,その割り切った関係がどうなるのか,ヨリの過去に何があったのか気になるところです.『娚の一生』同様,王子様と婚外恋愛が前提となっており,このあたりは好みが分かれるところかもしれません.面白いと思うけれど,アラフォー男性として共感できるかというと微妙です.ファンタジーとして読んで面白い作品です.

作者は相変わらず女性をかわいらしく書くのが上手く,一方で嫌味なく色気を含ませるのもまたお見事.また,登場人物以上に,ヨリの郷里(おそらくモデルは長崎県)の坂道や島といった風景が美しい.表紙の階段も作中人物の年齢を暗喩しているようでいいですね.

タイトルが『姉の結婚』であるからには,戸籍上なり精神的なりの「結婚」という決着が待っているのか…続きまだかなぁ.