第16回京都読書会 by mixvox.org開催報告(2011/10/29)

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恒例の京都読書会の開催報告です.

  • 開催日時:10/29(土) 15:00-17:30
  • 場所:
  • 参加者数:7名

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今回は地下鉄烏丸線鞍馬口駅近くにある焼鳥屋・竹とりNEOさんのご好意により,オープン前の座敷を貸して頂きました.ありがとうございます.

今回のお題は,空想科学小説やSFの父と言われるジュール・ヴェルヌ『海底二万里』.各社から出ていますが,岩波文庫や集英社文庫を求めた人が多かったですね.岩波は原著と同じイラストで雰囲気が出ていてよかったです.一方,私が読んだ集英社文庫はヤングジャンプで『華麗なる食卓』を連載中の漫画家・ふなつ一輝による表紙でした.

はたして参加者の皆さんは本書にどんな感想を抱いたのでしょうか.詳細は以下から.

『海底二万里』ファーストインプレッション

それでは参加者別にコメントを.

  • 謎の生物だと思ってたら,あっという間に潜水艦と正体が知れてガッカリ…
  • 海底の映像が写真で観られたらいいのに!
  • アロナックス教授・コンセイユ・ネッドの3人のキャラがいい.ネッドがカンガルーとイノシシを両手に持って「肉食いたい感」を出していたり,ネッドとコンセイユで魚について話すところのアプローチの違いが面白い.

あー,ノーチラス号の存在をまったく知らない人が読むとこういう感想になるんですね.面白い.確かに潜水艦と知れなかったらもっと怪奇小説的に捉えていたかもしれませんね.私は未読でしたが,ノーチラス号の存在は知っていました.

ノーチラス (原子力潜水艦) - Wikipedia

  • Amazonで原著のイラストがあると知り岩波文庫を買ったが,若干読みにくい?
  • 冒険が始まると思ったら魚や貝の名前がつづくので苦痛…子供の頃に海中をカラフルなイメージで読めれば,また違った印象かも.
  • 閉じ込められた3人やネモ船長のキャラを知りたいと思って読んだ.
  • 岩波のイラストはよかった!

チームSFの人によると,岩波は正確な訳にこだわっているらしく読みづらさがあるとのことです.へー.

それにしても岩波文庫のイラストは本当によかった.集英社文庫は途中のイラストがなかったし,岩波文庫が欲しくなってきたぞ.

  • こういう小説は読んだことがなかったが,南極のシーンでは自分が息を止めるくらい引き込まれていた.
  • ネモ船長のキャラ.仲間が死んだときに涙を見せたり真珠を贈ったりと優しい人だと思ったら,一方で戦艦沈めたり…どういうキャラか分からなくなった.
  • アロナックス教授がサメを恐れてお金に例えるシーンが笑える.作中でここだけ浮いている感じ.

ネモ船長の出自やある種哲学的な生き方が気になるところですよね,やっぱり.

  • 潜水艦ノーチラス号の登場にワクワクした.理系の男の子ならテンション上がるでしょ?
  • ネモ船長は,上記の二面性を含めて「誰でもない」男なのかなと思った.アロナックス教授の視点で読んだけど,今度はネモ船長視点で読んだらもう少し理解できるかも.
  • ネモの目的や敵の存在が明確であればストーリーはもっと面白いと思う.ただSFでなく漂流記と考えれば,こういう話の方が向いていると思う.
  • ジュール・ヴェルヌが描いた未来(原子力潜水艦,南極大陸上陸,鯨の問題他)が現実になっていてすごい!

理系の男の子の私,参上.ノーチラス号のメカニズムが明らかになるあたり大興奮です.『沈黙の艦隊』大好きなので余計にね.

  • ネッドとコンセイユの魚対決が面白い.
  • 潜水艦がオール電化的?電気が万能の科学と考えられていたんだなー.
  • 『沈黙の艦隊』ではPingで相手の位置を探って大変なのに,こちらはガラスがあって楽そう.
  • ネモ船長の過去については説明した方がいいと思っていたが,これでよかったかも.
  • ネモ船長の最後の言葉は,これだけではなく,おそらく誰かが傷つく度に自己嫌悪してる.金塊を貧困国に送るといった過去にも関係しそうだ.

トーマス・エジソンが電球を発明するのが1879年ですから,本書が出版された1870年より後の出来事なんですよね.当時の科学に明るくないですが,万能に思われていたのかな.

トーマス・エジソン - Wikipedia

  • 描写が楽しい.調べたにしてもよく想像で書いたよね.
  • 電気はこの世界で万能なのか.
  • ストーリーはほとんどあってないようなもの.アロナックス教授が見たいものを書いてるので,そりゃ話は進まない.
  • 魚を使ってスエズ運河のルートを発見する件が面白い.
  • 描写がこれだけ多いのはいかにも海外小説.ストーリーが進まない.

電気の話題…まぁ産業革命後の世界は小説になりやすいし,読んでてこっちもワクワクしますよね.

海外文学に詳しい人に言われて気づいたけど,確かに本筋に関係ない描写多い!そうか,翻訳小説読んでてイマイチ進まないのはこれだったのか…

  • 幼稚園か小学校の頃に岩波で買ってもらって,これ読んだら賢くなるのかと思って読んだのがきっかけ.当時,オオダコの絵を見て海洋オタクになり,そして潜水艦オタクになった.そして『沈黙の艦隊』に目覚め(以下略)
  • 現代でも通ずるナトリウムの話が面白い.
  • 『沈黙の艦隊』で潜水艦が独立した話は,どう考えても本書からのアイディアだよね.
  • 萌えポイントは魚図鑑.ネモ船長の人生ではない.
  • ネモ船長が最後に沈めた戦艦はどこの国の艦船?ネモ船長はフランス語を話すあたり,ゲルマンとの闘いで滅ぼされたアルザスあたりの出身か?

20年近くの思い入れがある参加者からのコメント.こういう深い自分語り,大歓迎です.

ネモ船長,個人的には浅黒でラテン系のイメージで脳内再生していたんですが(『ふしぎの海のナディア』の影響),アルザス説が.この方は「最後に出てくる戦艦=ネモの敵は,時代的にプロイセン説を唱えたい」と言っていました.なるほど!近代西洋史もう一度勉強したい.

プロイセン - Wikipedia

よもやま

日本で映画化したら,アロナックス教授が若手イケメンになって木村拓哉,ネモ船長は高倉健か山崎努という話になりました.それヤマトじゃん!

そういえば本書でも『沈黙の艦隊』でも女性がほとんど出てこないですが,隔絶した世界を作りたがるのが男性の傾向という分析にはなるほどと思いました.

あと,冒険小説として考えるとネモのキャラはおかしいよね,なんて話も.冒険ものなら敵対するキャラを明確に作るよね.

関連するオススメ本

やはり同じ著者の『十五少年漂流記』あたり.少年達がいかにして生き残るかが描かれており,読後感は悪くないそうです.コンビーフ好きになるらしい.

同じ著書の『八十日間世界一周』,映画は日本の扱いがひどいそうです.

最近の日本の小説だと,映画化された『東京島』が挙がりました.映画主演の木村多江で脳内再生しながら小説を読むのがオススメだそうです.

まとめ&反省

SFに詳しい人がいて盛り上がりました.思い入れのある作品について語ると面白いですね.

Wikipedia - ノーチラス号を見ると,ヴェルヌの『神秘の島』にもネモ船長&ノーチラス号が登場するんですね.ネモ船長の最期も描かれているの?これも読まないと.

個人的には『ふしぎの海のナディア』を久しぶりに観たくなりました.放映当時には『海底二万里』未読でしたが,原作を踏襲して上手く冒険ものに仕立てていますよね.♪いーまーきーみーのぉめにー

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そういえば今回飲み会の写真忘れた.女性多数の私達には珍しく男女比が半々くらいだったのですが,飲み会では女性陣がキャッキャウフフの女子会みたいでした.