枯れ専と30代女性の幸せと - マンガ評:西炯子『娚の一生』全3巻

5月の読書会(マンガ特集)で薦められた西炯子『娚の一生』,読了.「おとこのいっしょう」と読みます.

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)娚の一生 2 (フラワーコミックスアルファ)娚の一生 3 (フラワーコミックス)

おおう,三冊並べると破壊力抜群の表紙…

大手電機メーカーで課長を務める30代半ばの独身女性・堂園つぐみが,田舎の亡き祖母の家で50代の大学教授・海江田醇と成り行きから同居することから始まるラブロマンス.読書会で本書を薦めてくれた女子が「海江田教授は理想の男性」と語るなど,渋好みの女性には人気のようです.

まぁ,ファンタジーなんですけどね.

だいたい50代のイケメン独身男性教授(初婚)なんてどこに転がってるんだよ!ファンタジーだろファンタジー!…と思ったら,『Love, Hate, Love』にも転がっていた.最近は枯れ専ブームなのか…?

それはさておき,つぐみは30代半ばで不倫経験もあるキャリアウーマンで,過去の傷を引きずりつつ一歩踏み出すことを恐れている(海江田いわく「幸せウツ」)という,実生活でもよく見かける女性.その彼女が海江田と知り合うことで再生していく話…というとまとめすぎでしょうか.作中つぐみが,

…さよなら私の王子様

と過去の不倫相手に心中で語りかけるシーンがあります.しかし,つぐみを呪縛から解放するのが新たな王子様(大学教授)でした,というのがいかにも少女漫画らしい.いや批判しているわけではないです.こういうテーマは昔から何度も語られるからこそ面白いのです.

実際,つぐみのような幸せに縛られる女性というのは多々いて,彼女らを救えるのは海江田のような年齢を重ねた人間であるというのもまた真実.30代の人間は,現実と対比させて読むと面白いかもしれません.でも女性は夢を見過ぎるな.海江田みたいな優良物件はまずないぞ.


西炯子さんの作品は初めて読みましたが,絵柄がさっぱりしていて,女性がかわいらしくて好きです.どこか色気というかエロスがあるのも.コンプリートを目指しましょう.