第7回京都読書会 by mixvox.org開催報告(前編)

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恒例の京都読書会の開催報告.7回目となりました.半年続いたねー.

・開催日時:1月8日(土) 15:00-18:00
・場所:ガスト京都駅南店
・参加者数:7名

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過去最大の人数となりました.8名くらいが限界ですね…

今回のお題は何かと話題の『KAGEROU』と映画『ノルウェイの森』.こんなミーハーなテーマをする読書会はここだけですね.詳細は以下から.

齋藤智裕(水嶋ヒロ)『KAGEROU』読後感想

参加者1人1人のポジションが分かるようにまとめて書きましょうか.

  • 事前に,週刊誌などでいろいろ言われているから気の毒だなーと思っていた.
  • TVで「自己表現のために書いた」と言ったので,彼の心情を理解しようというつもりで読んだ.
  • それで出てくる結論がこれかー!生きるか死ぬかを本当に考え抜いての結論がこれかー!!
  • ストーリーは面白い.小中学校の学芸会の劇で使われたら面白いんじゃないか.

おっといきなり辛口…

  • どんなゴーストライター使うか,どんな企画を練ってくるか期待していたが,「本人書いてるわ…」というデキだった.
  • 紙媒体にこだわらず,ケータイ小説だったら普通だったかも.
  • 最初から誕生日がキーワードになっているのに,ヤスオは太陽暦のところに住んでいない?魚座に31日はない!

これまた辛口…なるほど,魚座の月に31日はないのか!これはびっくりした.魚座だから気づくことですね.

  • ジンだけにイギリス人…面白いと思って書いているのか?いかな完璧超人の水嶋ヒロでもジョークセンスは自分の方が上だと思った.
  • 中国思想では,人間の体のどこに魂があるのか?という議論がある.戦国時代に首を斬るのは,死体に魂が蘇られないようにするという説もある.その意味で水嶋ヒロの解釈はこうなんだーという感じ.
  • 冒頭の自殺シーンまでは気合入れて書いたのかな?

中国思想の話が来るとは面白い!

  • 最初からハードルを下げていたので,正直意外と面白かったし,意外とよくできていた.
  • 笑うせえるすまんっぽい.
  • 映画の原作として考えると十分なデキでは.
  • デビュー作としてはこんなもんじゃない?

あ,これ私.それまでの評価が辛すぎて雰囲気が殺伐としていたのでポジティブな評価を口にしたら,睨まれた…読書会怖い…('A`) ※注:主催者

  • 読みやすい.最後までリズムよく書いているので,文章力は意外とあるのかも…
  • ただし大賞を取るにはちょっと…
  • 作家の26歳という年齢を考えると,底が浅いように思う(たとえば三浦しをんの20代と比べると)
  • ただメディアミックスしたいというのであれば納得する.
  • 心臓のハンドルがワロタ

三浦しをんほどの手練と比べるのはさすがに厳しい気がしますが,新人作家という視点ではそれくらいのジャッジが必要なんでしょうね…

  • 若い人が書くだけあって,登場人物が原色で見えた.
  • 登場人物がゲームのキャラクターみたい.ゲームで育った世代が書く物語という感じ.
  • 映画の脚本っぽいよね…

なるほど,こちらでも脚本っぽいという評価.純粋に小説としては足りないけれど,映画化を見据えた脚本という視点では悪くないのでしょうか.

なぜ主人公を40代に据えたのか

議論のネタとして.

「自殺の理由を若い世代のいじめにするか,オッサンのリストラにするか」の二択という説,あるいは単にオヤジギャグを言いたかっただけなのか?という説がありました.

主人公を10代・20代にすると辻仁成や石田衣良っぽくなりますよね.そういえば現在の水嶋ヒロのポジション,原点は辻仁成ですよね.芸能界と文壇,妻がミュージシャンというのも同じ…

『KAGEROU』は映画化するのか?

さて,著者の願い通り本当に映画化するのでしょうか?これについては,「登場人物のキャラクター設定は立っているけど,同じような設定の話はあるし,既出感がある」「いや話題になったことだし,ゴールデンウィークに封切りして新年度を迎えた大学生カップルが観に行くにはちょうどいい」などという意見がありました.何そのリアリティ.

ちなみに,読書会で勝手に考えたキャストは以下.

  • ヤスオ:香川照之
  • キョウヤ:水嶋ヒロ
  • アカネ:AKBの誰か
  • 主題歌:絢香

齋藤智裕先生の2作目はあるか

多数決を取ったところ,ある4:ない2でした.あってもポプラ社なのは間違いないですが,もしかしたら次作に誰もが満足するすごい作品を準備しているのかもしれない…なんて話も.それはもう土下座ですよね.

ポプラ社の売り方についてはどう思う?

まぁ,なんやかんやで上手くやったなという感じでした.この大賞も今回が最後でしたが,最後に上手くやったなポプラ社という感じで.

悪評は多少あるかもしれませんが,一般の消費者は出版社を意識することはあまりなく,仮に今回の騒動でポプラ社の評価が下がったとしても若いママが『きかんしゃトーマス』シリーズを買わなくなることはない,という話になりました.そりゃそうだよね.

長くなりましたので,2回に分けます.

(後篇へ続く)