マンガ評:よしながふみ『愛がなくても喰ってゆけます。』

よしながふみさんの作品は『きのう何食べた?』から入りました.シロさんが作る家庭料理が美味しそうで引き込まれます.では著者の作品で次に読むとしたら...とtwitterオフ会や読書会などで訊いたところ,『きのう何食べた?』の次ならコレ!と異口同音に勧められたのが『愛がなくても喰ってゆけます。』.

いやー面白い!オススメ多謝.

「男同士のアナルセックスなどを描いて生計を立てる31才」のマンガ家・YながFみ(実在する人物とは関係ないらしい...)やアシスタント・友人が,東京の美味しいレストランで食事するさまを紹介するグルメ・ショートショート.ただ食べているだけと言えばそれまでですが,立派なグルメガイドとなっています.

『きのう何食べた?』を読んでいて,どうしてこんなに料理を美味しそうに描けるのか...と思っていましたが,なるほど本書を読んで分かりました.この人は食べるのが好きで,美味しい料理を作る人をリスペクトしてるんだ!

いやもう馬鹿でいい
ダメだあたし自分の連れてった店に
ケチ付けられんのだけは耐えきれん!!

うまいんだよ あすこのあんこう鍋は!!
わが人生に一遍の悔い無し!!(P.72)

Yながが付き合って2ヶ月の男を捨てた後の台詞.あぁ,分かる...

また,登場人物が食べる様子が美味しそう.『きのう何食べた?』は家庭料理を男性が淡々と食べるという感じですが,本書は女性が割とゴージャスなものを食べるシーンが多く,より美味しく,よりセクシーに.女性が食べる仕草ってセクシーですよね.

「どう美味しいか」という食べる側の喜びを伝えないとグルメガイドにはならないよね,という良見本.京都版が欲しいところですね.誰か描かないかなぁ(←他人任せ).