書評:森見登美彦『恋文の技術』

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森見登美彦『恋文の技術』,読了.内容には触れず「とにかく読んで!」と@tremensに勧められたものです.

これは面白い.確かにオススメするのに内容の紹介が難しいし不要.森見登美彦好きなら是非読んで!の一言です.しかし森見登美彦氏は馬鹿で破廉恥な学生を文豪風に描くことにかけては日本一ですね.

小説の体裁は書簡体小説.京都の大学院から能登半島の研究室に送り込まれた主人公・守田一郎が無聊を慰めるために友人や妹に書いた手紙をまとめたものです.設定からして文豪風.

作中で明らかになっているのは,守田一郎からの書簡のみ.一見手紙が並んだだけなのに,1通1通がユーモアとパロディに満ちていておかしく,またまとめて上手くストーリーを構築しているのはさすが.最初から最後までテンションが変わらず,笑い転げて,そしてちょっと温かい小説です.

うん,アバウトな書評だけれど,内容に触れるのはナンセンスな小説だから仕方ない.

最後に,本書を読むことにより守田が目指す「手紙一本で女性を篭絡する恋文の技術」が身につくかは分かりません.しかし,愛の告白のためにキモい手紙やメールを書こうとしている恋に悩む若者は,その前に絶対に読んだ方がいいと思います.