書評:浅田次郎『プリズンホテル 夏』

浅田次郎を本格的に読むのは,初めてだ。

別に読まず嫌いというほどでもありません。JALの機内誌に連載されているエッセイ『つばさよつばさ』は機内で面白く読んでいましたが,本格的に本を手に取る機会がなかっただけです。ところが先々月の読書会の他twitter上でも勧められることが多かったので,読んでみることにしました。初めてなら『プリズンホテル』をオススメされたので,シリーズ第1作から。

プリズンホテル - Wikipedia

ヤクザが経営する任侠団体専用リゾートホテル「プリズンホテル」。設定だけで笑える娯楽小説。

リゾートホテルの中で描かれる密室劇。職人気質で一徹なホテルマンや料理人。愛嬌のあるヤクザの大親分。上には従順で(意外と)真面目な構成員。三谷幸喜に通ずるものがあると感じました(年齢は浅田次郎が歳上か)。

先述の通り,浅田次郎はJAL機内誌と読書会で『姫椿』の一章を読んだのみですが,人間の心の機微をとらえて,感動を押しつけすぎず,しつこくない文量に笑いと涙をまとめるのが上手い人,という認識でいます。あとアウトローを描くのが上手い。今後他の作品を読んでいくうちに評価がどのように変わるか楽しみです。

『プリズンホテル』,他のシリーズも読んでみよう,と…

この物語は群像劇であるが、シリーズ全体においては彼の成長がテーマとなっている。

そういう話だったの?もっとユーモアに満ちたものだと思ってました…