書評:三浦しをん『桃色トワイライト』

三浦しをん『桃色トワイライト』,読了.

松苗あけみ氏による素敵なカバーイラストのエッセイ.私にとって著者のエッセイは『三四郎はそれから門を出た』『しをんのしおり』に続く3冊目.だいたい同じようなことを書いているということはよく分かりましたが,これまで読んだ中では実に彼女らしい.と申し上げておきましょう.

毎度毎度妄想話ばかりを挙げるのもワンパターンなので,彼女の恋愛に関する記述を引用してみましょう.まずは祖母の「結婚してよかったと思うこと」から.

「おじいさんは,なにを出しても『うまい,うまい』言うて食べはった.私が,『これはちょっと失敗したな…』と思う料理でも,あのひとにかかると全部『うまい!』なんや」

そ,それはただの味オンチじゃ….(P.73)

続いて結婚話.

「だいたい,しをんちゃんは結婚したいわけ?」

「いや,特に」

と言ってしまってから,「そうだ,祖母の家の近所に住むばあちゃんに,アドバイスをもらってたんだっけ」と思い出す.そのアドバイスとは,「『結婚したくない』とは決して言うな」というものである.

「『いいひとがいれば,結婚する気ありありです』と常日頃アピールしておけば自ずと,『そういえば,あの子が相手を探していたな』と男性を紹介してくれる人も現れる」(P.135)

この辺りは勉強になりますね.皆さん,アピールも大事ですよ!(ここテストに出ますよ)


もちろん,いつもの妄想もさすがのしをん節.かねてから『仮面ライダークウガ』好きをアピールしていましたが,それを五代くんと一条さんのカップリングで妄想するあたりなど,もう!「見ててください,俺の,変身!」なんて名シーンでBLを妄想するなんて,あんたって人は!(一方で,石ノ森章太郎の善悪が表裏一体である世界観の分析などはさすがと思ったり).


ところで,先日の腐女子とのオフ会で,『きのう何食べた?』の次に読むべきよしながふみ作品は何かと問うたところ,『愛がなくても喰ってゆけます。』で満場一致でした.本書でも勧められています.よしながふみの,ひいては腐女子の王道なのかな.