書評:エリザベス・ギルバート『食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探究の書』

アメリカではちょっとした話題になり、全世界で700万部売れたベストセラーなのだそうだ。そして、この秋にはジュリア・ロバーツ主演で映画化されるとか。
http://eat-pray-love.jp/

作家であるエリザベス・ギルバート自身の体験を、旅行記の形で記した本である。

離婚、失恋と辛い体験をした彼女は、1年の長旅に出ることになる。
イタリアで美味しいものをたくさん食べながら自己を振り返り、インドではヨーガと瞑想の日々、最後に訪れるバリ島ではヒーラーと出会いそして・・・

まあぶっちゃけ、 アラサー女子の自分探しのお話です!

しかし、エリザベス・ギルバートの作家としての実力によって、この話を単なる“旅行記”や“スピリチュアル系”にしていない。
自分の魂の声をしっかりと聞くこと。そして、世界と自己の調和について考えること。
そのときどきの彼女の心の動きがしっかりと書かれていて、とても共感できる。
しかもスピリチュアル系にありがちな、アヤシイ多幸感にあふれたりもしくは内省的になるわけではなく、あくまでもあけっぴろげでユーモアが先に来る。読ませ方が非常にうまいのだ。

個人的には、まだ傷が癒えておらず深く悩み過去のフラッシュバックに襲われ、それでもピザやパスタにワインにと食の快楽に浸っている「イタリア編」が一番好きだ。
(ナポリのピッツェリア《ダ・ミケーレ》!行きたい~っ!)
神との繋がりを発見し魂を高みに上げていくインド編や、愛と友情に包まれていくバリ島編もいいけれど、まだまだ私は迷ったり落ち込んだりしながらも対症療法的に美味しいもので楽しいキモチを味わうのが好きなんだなあ・・・。


さて、実はこの本、誕生日に友人からプレゼントされたもの。
本をもらったり、個人的に本を薦められるというのは、私にとってはわりに大きな「できごと」だ。
「あなたが好きそうだから」「あなたに合うと思ったから」と、本が好きだと公言している私に、私のことを考えて選んでくれるなんて、ドキドキするくらい嬉しい。
「なぜ」この本なのか、という理由は特に要らない。読めばわかることもあるだろうし、わからなくても、きっとそのときに必要な本であったりするだろう。

そういえば、作者のエリザベス・ギルバート。過去に読んで面白い!と感動した短編集「巡礼者たち」の著者だった。プレゼントしてくれたひとも知らなかったらしい。
本との出会いってこういうところが面白い・・・。